スマートフォン・タブレットの可能性 iPadは弱視者の生活を変えられるか?
第2回:iPadによって私の日常生活はどう変わったか?
[ 2012年10月1日 ]
iPadの弱視者向けアクセシビリティ機能
iPadには視覚や聴覚に障害を持つ人の利用をサポートするアクセシビリティ機能が最初から備わっており、買ったその日からiPadを使うことができます。アクセシビリティ機能の内容を確認・設定するには、ホーム画面から「設定」→「一般」→「アクセシビリティ」の順にタップしていきます。
図1:iPadのアクセシビリティ機能
たくさんあるアクセシビリティ機能の中から、私が普段から使っている「ズーム機能」と「黒地に白」をご紹介します。
ズーム機能
ズーム機能とは、iPadの画面に表示されるウェブページやアプリ画面等あらゆるものを拡大表示する機能です。iPadにはもう一つ、二本の指を広げる動き(ピンチ)によって表示を拡大する機能もありますが、この機能を使えないウェブページやアプリもあり、万能というわけではありません。
図2:ズーム機能を使ってA.A.O.を閲覧している様子
黒地に白
弱視者の中には、「白い背景に黒い文字の画面はまぶしくて読めない」という人がいます。私もその一人で、パソコンは普段から、色を反転して黒い背景に白い文字の画面で使っています。iPadにも同様の機能があり、黒い背景に白い文字で画面を表示するように設定することができます。
図3:「黒地に白」機能を使ってAAOを閲覧している様子
2つの機能を使い分けて利用
私は、この2つの機能を適宜使い分けて利用しています。ズーム機能については、まずは拡大せずにウェブページやアプリ画面の全体像を把握して、わからない部分があるときだけ拡大して使います。また「黒地に白」機能は通常はオンにしておいて、写真や映像を見るときだけオフにして利用します。「黒地に白」の機能は写真や映像も含めてすべての色を反転するため、オンの状態でこれらのコンテンツを見てもどんな写真、あるいは映像なのか理解できません。
そこで私は、アクセシビリティ機能の一つである「ホームをトリプルクリック」機能を使います。私の場合、ホームボタンを3回連続して押すと「黒字に白」機能のオン・オフが切り替わるように設定して、瞬時に色を切り替えて使っています。