2013年Aion全ページJIS対応調査「都道府県編」
都道府県のホームページ約6割(約113万ページ)が障害者・高齢者配慮のJIS規格最低基準を満たさず
この度、都道府県のホームページの全ページを対象に、高齢者・障害者のホームページ利用への配慮(ウェブアクセシビリティ)に関するJIS規格(JIS X 8341-3:2010)への対応状況を調査しました。
本調査で、都道府県のホームページの約6割に、JIS規格で最低限遵守すべき「達成等級A」の問題が確認されました。
調査結果概要
本調査では、北海道を除く46の都道府県サイトの合計1,840,266ページのうち1,128,696ページ(61.33%)でJIS規格の達成等級Aの対応に問題があることが確認されました。
また、個別のサイトについては、40の都道府県サイトで、達成等級Aに問題のあるページが1万ページ以上あることが確認されました。問題のあるページの割合は、最も少なかったサイトで8.76%、最も多かったサイトで99.85%でした。(表1参照)
No. | 団体名 | 公開されている全ページのうち、 等級Aに問題のあるページの割合 |
---|---|---|
1 | 秋田県 | 8.76% |
2 | 兵庫県 | 10.12% |
3 | 岐阜県 | 10.67% |
4 | 鳥取県 | 20.66% |
5 | 奈良県 | 22.51% |
6 | 山梨県 | 26.33% |
7 | 宮城県 | 26.68% |
8 | 東京都 | 27.84% |
9 | 青森県 | 28.87% |
10 | 新潟県 | 33.49% |
11 | 鹿児島県 | 35.52% |
12 | 千葉県 | 37.20% |
13 | 神奈川県 | 39.40% |
14 | 静岡県 | 40.56% |
15 | 滋賀県 | 41.13% |
16 | 栃木県 | 41.83% |
17 | 京都府 | 47.36% |
18 | 愛知県 | 47.54% |
19 | 沖縄県 | 50.60% |
20 | 愛媛県 | 51.35% |
21 | 広島県 | 54.41% |
22 | 宮崎県 | 55.52% |
23 | 徳島県 | 58.43% |
24 | 三重県 | 59.20% |
25 | 佐賀県 | 61.03% |
26 | 山口県 | 64.76% |
27 | 岡山県 | 65.15% |
28 | 長野県 | 65.28% |
29 | 大阪府 | 67.24% |
30 | 高知県 | 67.33% |
31 | 福島県 | 78.25% |
32 | 茨城県 | 79.36% |
33 | 香川県 | 80.09% |
34 | 富山県 | 92.32% |
35 | 埼玉県 | 94.42% |
36 | 和歌山県 | 95.03% |
37 | 石川県 | 95.56% |
38 | 長崎県 | 95.93% |
39 | 熊本県 | 96.33% |
40 | 福岡県 | 98.42% |
41 | 山形県 | 98.47% |
42 | 群馬県 | 98.47% |
43 | 岩手県 | 98.82% |
44 | 大分県 | 99.49% |
45 | 福井県 | 99.84% |
46 | 島根県 | 99.85% |
また、達成等級Aに該当する25の達成基準の中で、特に「問題あり」のページの割合が高かったのは、以下2つの達成基準でした。(図1参照)
- 「7.1.1.1非テキストコンテンツに関する達成基準」(36.2%のページで達成等級Aに問題)
- 具体的な問題の例:音声読み上げソフトの利用者に画像の内容を伝えるための「代替テキスト」がない等。
- 「7.1.3.1情報及び関係性に関する達成基準」(33.5%のページで達成等級Aに問題)
- 具体的な問題の例:見出しや箇条書きなどについて、文書の構造を示すためのHTMLタグを適切に使用していない等。
図1:達成等級Aの達成基準別「問題あり」のページ割合
総務省「みんなの公共サイト運用モデル(2010年度改定版)」では、各公共機関が自団体ホームページの現状や運用の事情を踏まえ改善計画を立案し実行することが求められています。弊社では、本調査により各公共機関公式ホームページで公開されている全ページのJIS対応状況を明らかにし、結果の公表、解説セミナーの実施等を通じて、公共機関ホームページのウェブアクセシビリティ向上に貢献してまいります。
調査概要
1.調査対象
都道府県46団体の公式ホームページ
【対象46団体】
青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
※調査期間内に調査が完了しなかった北海道を除く。
2.調査期間
2013年5月24日~6月11日
3.調査方法
アライド・ブレインズが開発した「全ページJIS検証プログラムAion(アイオン)」を用い、46サイトの公開されている全ページを対象に、JIS規格対応を調査した。
Aionは、総務省が開発し広く一般に無償提供しているJIS規格対応検証ツールmiChecker(エムアイチェッカー)のチェック項目と基準により、公開されている全ページを一括で検証するもの。
なお、本調査はmiCheckerの基準により、明らかな問題があると特定された箇所について集計を行った。
関連セミナー
本調査結果の詳細、障害者制度改革など国内外のアクセシビリティ対応を求める最新動向、公共機関に求められる取組みを、公共機関ホームページ担当者向けに解説するセミナーを7月5日に東京で開催いたします。
アライド・ブレインズ株式会社 2013年6月27日プレスリリース
関連サービス
アライド・ブレインズ株式会社 担当:米田、大久保
Tel:03-3261-7431 Fax:03-3261-7432 e-mail:office@aao.ne.jp
〒102-0073 東京都千代田区九段北1-10-9 九段VIGASビル 2階