2015年Aion全ページJIS対応調査「政党編」
10政党のホームページ87%(11万ページ超)が 障害者・高齢者配慮のJIS規格最低基準を満たさず - ウェブアクセシビリティの全ページ調査結果を発表【政党】 -
この度、政党のホームページ10サイトの全ページを対象に、高齢者・障害者のホームページ利用への配慮(ウェブアクセシビリティ)に関するJIS規格(JIS X 8341-3:2010)への対応状況について検証プログラムを用いて調査しました。
本調査で、政党ホームページの87%のページ(計11万ページ超)に、JIS規格で最低限遵守すべき「達成等級A」の問題が確認されました。
障害の有無にかかわらず、誰でも政策や候補者の情報などを取得できるよう、政党ホームページのアクセシビリティ対応は重要です。
しかし、本調査で対象10サイトの内、5サイトは全てのページに「達成等級A」の問題がありました。また、99%に問題のあるサイトが3サイトありました。最も問題が少なかったサイトでも約40%のページに問題があるなど、いずれの政党サイトも大きな問題を抱えていることがわかりました。
調査結果概要
本調査では、10の政党サイトの合計132,594ページのうち115,698ページ(87.26%)でJIS規格の達成等級Aの対応に問題があることが確認されました。
弊社が実施した国(2015年3月12日発表)、都道府県(同3月24日)、及び政令市(同4月8日)ホームページを対象とする調査では、いずれも約5割のページに問題があるという結果でしたが、政党のホームページは問題のあるページの割合が極めて高いことがわかりました。
視覚障害者がホームページを音声で読んで利用する場合に、メニューのリンク先が分からない箇所があるなど、政党ホームページの利用に大きな支障がある問題を具体的に確認しています。
また、5サイトについては全てのページに問題があることが確認されました。(表1参照)
No. | 団体名 | 公開されている全ページのうち、等級Aに問題のあるページの割合 | 等級Aに問題のある箇所数 |
---|---|---|---|
1 | 社会民主党 | 39.83% | 2,379 |
2 | 日本共産党中央委員会 | 81.53% | 208,853 |
3 | 公明党 | 99.13% | 28,504 |
4 | 自由民主党本部 | 99.28% | 207,219 |
5 | 民主党 | 99.99% | 175,712 |
6 | 次世代の党 | 100.00% | 763 |
7 | 新党改革 | 100.00% | 1,022 |
8 | 生活の党と山本太郎となかまたち | 100.00% | 4,209 |
9 | 日本を元気にする会 | 100.00% | 4,582 |
10 | 維新の党 | 100.00% | 6,780 |
達成等級Aに該当する25の達成基準の中で、特に「問題あり」のページの割合が最も高かったのは、以下の達成基準でした。(図1参照)
- 「7.1.1.1非テキストコンテンツに関する達成基準」(67.50%のページで達成等級Aに問題)
- 具体的な問題の例:音声読み上げソフトの利用者に画像の内容を伝えるための「代替テキスト」がない等。
図1:達成等級Aの達成基準別「問題あり」のページ割合
(問題の多い達成基準上位10位)
調査概要
1.調査対象
総務省ホームページ「総務省 なるほど!政治資金 政治団体名簿」政党・政治資金団体の「政党・政治資金団体一覧(平成27年1月19日現在)」の「政党」に掲載されている団体のうち、2015年4月16日時点で公式ホームページを開設していることを確認できた10団体。
- 総務省 なるほど!政治資金 政治団体名簿
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/naruhodo04.html
【対象10団体(政党・政治資金団体一覧での掲載順)】
維新の党、公明党、次世代の党、社会民主党、自由民主党本部、新党改革、生活の党と山本太郎となかまたち、日本共産党中央委員会、日本を元気にする会、民主党
2.調査期間
2015年4月16日~17日
3.調査方法
アライド・ブレインズが開発した「全ページJIS検証プログラムAion(アイオン)」を用い、調査対象ホームページの公開されている全ページを対象に、JIS規格対応を調査した。
Aionは、総務省が開発し広く一般に無償提供しているJIS規格対応検証ツールmiChecker(エムアイチェッカー)のチェック項目と基準に準じて、公開されている全ページを一括で検証するもの。
本調査はmiChecker ver1.0の基準により機械的な検証を実施し明らかな問題があると判定された箇所について集計を行った。JIS規格に基づき人の判断を含めた確認を行った場合、本調査の結果以上に問題が確認される可能性が高い。また、問題と判定された箇所には、ページの内容等を含めて人による確認を行った場合、問題がないとの判断に至るものが含まれている可能性がある。
なお、miCheckerがHTML5に対応していないことが原因でエラーが発生する場合がある。
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アライド・ブレインズ株式会社 2015年4月22日プレスリリース
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