アクセシビリティJIS規格の改正はいつ?
[ 2022年5月18日 ]
執筆担当
米田 佳代
(よねだ かよ)
いつ改正されてもおかしくないアクセシビリティJIS規格
ウェブアクセシビリティのJIS規格(日本産業規格)「JIS X 8341-3:2016」は、2016年に改正公示され、現在もホームページの新規構築や日々のページ作成、改善などを行う際の基準として国内で広く使用されています。特に公共機関は、障害者差別解消法や産業標準化法により、JIS規格への対応が求められています。
アライド・ブレインズは、JIS X 8341-3に関し、2005年の作成、2010年の改正、2016年の改正全てに、改正原案の作成に携わりました。
JIS規格には、5年に一度見直しを行うという原則があります。JIS X 8341-3は前回の改正から既に6年以上経過しています。JIS X 8341-3は、次にいつ改正され、改正により何が変わるのでしょうか?
アクセシビリティJIS規格は国際規格と同一の基準
ウェブアクセシビリティの分野では、世界的に広く使用されているWeb Content Accessibility Guidelines(WCAG)という基準があります。2018年に国際標準化団体World Wide Web Consortium(W3C)により勧告されたバージョン2.1が最新で、今年、次のバージョンである2.2の勧告が予定されています。さらに、数年先の勧告を目指し、大幅に構成を見直したバージョン3.0の検討も進められています。
ひとつ前のバージョンである「WCAG2.0」は2008年に勧告された後、ISO化が進められ、2012年に国際規格「ISO/IEC 40500:2012」となりました。
JIS規格は、同じ分野のISOがある場合には、それを採用するという原則があります。
ウェブアクセシビリティの分野でもその原則が採用されており、JIS X 8341-3:2016で定められたアクセシビリティ対応の61個の「達成基準」は、「ISO/IEC 40500:2012」及び「WCAG2.0」と同一の基準となっています。つまり、国内のJIS規格に対応してページを作ることにより、国際規格にも対応していることになります。
JIS改正に向けた国内外の最新動向
アライド・ブレインズでは、2020年度と2021年度に、総務省からの請負でJIS改正に向けた国内外の最新動向調査を担当しました。
JIS X 8341-3:2016の基となっているWCAG2.0が2008年に勧告されてから、すでに14年経過しています。この14年間で、例えばホームページのスマートフォン対応が進むなど、技術や利用環境に大きな変化がありました。海外では、最新のWCAG2.1をアクセシビリティ基準として採用している国や地域も多数ありますが、日本はいつまでも14年前の基準に基づいてページを作成していてよいのでしょうか?
5月に入って、国際規格に関して大きなニュースが入ってきました。今年勧告が予定されているWCAG2.2について、今後W3CでISO化を目指すという方針が示されたとのことです。WCAG2.2がISOになることにより、JIS規格がそれに合わせて改正される可能性が考えられます。
想定されるJIS改正の時期や、何が変わるか、そのために何を準備していけばよいかについて、詳しくは、セミナーで解説します。
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