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連載「JIS X 8341-3改正動向と公共機関HPに必要な対応」
第2回「JIS改正向けて、公的機関に求められる2つの対応」

[ 2024年4月1日 ]

執筆担当
大谷 昌也
(おおたに まさや)


本連載コラムでは、数年内に実施される見込みのウェブアクセシビリティのJIS改正の最新動向、「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版)」公表などの関連動向、JIS改正に向けて公共機関ホームページに求められる対応を、総務省ウェブアクセシビリティ推進事業の事務局を毎年担当しているアライド・ブレインズ株式会社のコンサルタントが解説いたします。

2023年の国際標準に合わせJISのルールが増加

ウェブアクセシビリティの国際標準「Web Content Accessibility Guidelines(略称:WCAG)」(以降WCAGと記載する)の最新バージョンであるWCAG2.2が2023年10月5日に正式に勧告されたことをうけ、近い将来にアクセシビリティJISが、対応ルールが増える形で改正される見込みです。
詳細は前回コラムを参照ください。
→ 参照:第1回「ウェブアクセシビリティの新国際基準」

公的機関に求められる2つの対応

公的機関には、障害者基本法、障害者差別解消法等に基づきウェブアクセシビリティの対応が求められます。総務省のアクセシビリティ啓発資料では「法律等に基づく責務」と示されています。JISが改正間近となった現在、改正に向け、速やかに下記に取り組む必要があります。

  1. まず現行のJIS基準に確実に対応する
    多くの公的機関ホームページで、現行JISの基準で問題が残っていることが、総務省の全国調査により確認されています。
    第1回コラムにて解説したとおり、次期JISの内容は、現行の基準はほぼそのままに、新しい基準が多数追加されます。
    追加基準に取り組む以前の課題として、現行JISへの確実な対応を速やかに実行しなければなりません。
    問題が残っているホームページは、速やかに改善に取り組む必要があります。
  2. 改正を待たず、新しい基準への対応を推進する
    WCAG2.2の基準に基づくJIS改正の準備が進行しています。小手先の対応とはいかない新しい基準が複数あることから、JISの改正を待たずに、今から新しい基準への対応を推進することが重要です。
    特に、現在または近い将来にHPのリニューアルを予定している団体は、WCAG2.2に基づくリニューアルとすることが不可欠です。リニューアル準備の段階から、新しい基準への対応を取り入れるようにしてください。

誤った取組になっていませんか?

障害者差別解消法の趣旨、総務省ガイドラインに示された内容に則らない、誤った取組事例が多数あることを、セミナー等通じてご説明しています。
具体的な内容について、今後のコラムで解説する予定ですが、例えば下記のような取組を行っていないでしょうか?

  • 読み上げ機能等をHPで提供することで、アクセシビリティに対応したことにしている
  • 全ページを対象に改善に取り組まずに、一部ページのみを改善してAA準拠と公表し、アクセシビリティに対応したことにしている
  • 毎年JIS試験を、サイト構築や運用保守を担当する事業者に委託しており、客観性のある第三者に依頼していない

総務省ガイドライン2024年版が公表予定

総務省は、公的機関に向けて「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版)」を4月に公表予定です。今後の連載コラムで解説予定です。

次回以降のコラム

次回以降のコラムでは、JIS改正の内容、公共機関ホームページへの影響、JIS改正に向けて公表される予定の総務省ガイドライン改訂版などについて、解説予定です。本連載はA.A.O.ウェブサイトで公開しています。

  • 第3回 総務省「みんなの公共サイト運用ガイドライン」(2024年版)公表 4月上旬頃予定
  • 第4回「総務省JIS対応状況調査結果に注目」 4月下旬頃予定
  • 第5回「適切でない取組(1)」 5月上旬頃予定
  • 第6回「適切でない取組(2)」 5月中旬頃予定

関連セミナー:4月東京、5月大阪・東京

お問い合わせ先
アライド・ブレインズ株式会社 公共コミュニケーショングループ
電話:03-3261-7431 / ファックス:03-3261-7432
メール:office@aao.ne.jp

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