連載「JIS X 8341-3改正動向と公共機関HPに必要な対応」
第4回「2024年みんなの公共サイト運用ガイドライン公表」
[ 2024年5月13日 ]
執筆担当
大谷 昌也
(おおたに まさや)
本連載は、ウェブアクセシビリティのJIS改正、総務省みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版)などの最新動向、公共機関ホームページに求められる対応を、総務省推進事業事務局を毎年担当しているアライド・ブレインズのコンサルタントが解説します。
みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版)
2024年5月8日、みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版)が公表されました。
アライド・ブレインズは、2024年版ガイドラインの作成を総務省より請け負い、担当しました。
特別な改訂となった背景
これまでの「みんなの公共サイト運用ガイドライン」はウェブアクセシビリティの日本産業規格JIS X 8341-3の改正にあわせて改定されました。しかし、2024年版は、公共機関に速やかな取組実行を求めるために、JIS X 8341-3の改正に先立ち公表されました。
JIS X 8341-3:2016の基となっている国際標準Web Content Accessibility Guidelines2.0は2008年に勧告されたものです。日本はなんと16年前の国際標準を採用しているということです。そのような中、2023年10月に、国際標準の最新バージョンWCAG2.2が勧告となり、これを基にJIS X 8341-3改正される見込みとなりました。
必要な取組
2024年版ガイドラインの大きなポイントは以下の2点です。
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現行のJIS基準に早急に適切に対応する
前回コラムのとおり、総務省の全国調査により、現行JIS規格へ対応できていない公共機関が多数確認されています。(第3回「総務省JIS対応状況調査結果に注目」)
2024年版ガイドラインは、「JIS改正に対応するためには、まず、運用ガイドラインに基づく取組を十分かつ適切に実行し、JIS X 8341-3:2016に確実に対応することが不可欠」であるとして、以下の取組を求めています。- 運用ガイドラインに基づく取組を十分かつ適切に実行できているか、JIS X 83413:2016 に対応できているかを確認する
- 不十分な点、適切でない点がある場合は、速やかに対応を見直す(適切でない取組の例が解説されています)
- 運用ガイドラインに基づく取組を十分かつ適切に実行し、ホームページ等をJIS X 8341-3:2016 の達成基準に問題がない状態とする
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WCAG2.2に基づく取組を開始する
さらに、JIS改正により追加が見込まれる達成基準の内容がWCAG2.2として公表されていることを踏まえ、新たな基準への対応を、できる限り推進することを求めています。
数年内にJISが改正される見込みのため、それまでにWCAG2.2で追加される新たな基準に基づく、現状の把握、対応計画の検討、改善が必須です。
2024年版ガイドラインの求める取組の詳細について、ガイドライン改訂版の作成を担当したコンサルタントが、セミナーで解説予定です。ぜひ確認いただき、取組推進の参考としてください。
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次回以降のコラム
次回以降のコラムでは、2024年版ガイドラインが求める取組について、具体的に解説予定です。
- 第5回「適切でない取組(1)」 5月上旬頃予定
- 第6回「適切でない取組(2)」 5月中旬頃予定
お問い合わせ先
アライド・ブレインズ株式会社 公共コミュニケーショングループ
電話:03-3261-7431 / ファックス:03-3261-7432
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