トップページ設計見直しの重要性~利用者のために情報発信者が考慮すべき点~(その1)
[ 2021年10月6日 ]
執筆担当
新川 真美
(しんかわ まみ)
コロナ禍に必要なサイト構造設計
インターネットを利用して自ら情報を探しにいくことが当たり前になった現在、正確な情報とそうでない情報を判別することが非常に難しくなっています。
特に、新型コロナウィルス感染症が急速に流行、拡大する中、利用者は、インターネット上に溢れている膨大な情報から、自分が求めている情報を探し出さなければいけない状況に置かれています。
情報発信者は、必要な情報を正確かつ迅速に発信するだけでなく、利用者が探している情報に迷わずにたどり着けるよう、ホームページ全体を利用者目線で設計する必要があります。
本稿では、利用者のために情報発信者が考慮すべき点をトップページ設計の見直しに関する内容に特化して解説します。
1. トップページ設計の重要性
トップページ設計の見直しは、サイト設計の見直しの入口となる必須の対応です。
現在は、Google等の検索結果やニュースサイト、ソーシャルメディアから目的の情報を得るなど、トップページ以外から情報を探す利用者が増えています。しかし、閲覧を開始するページとして、全公開ページの中でトップページからの開始が最も多いことに変わりはありません。さらに、公共機関として伝えなければならない情報にわかりやすく案内するために、トップページはとても重要なものになります。
2. トップページの代表的な問題例
アライド・ブレインズは、ホームページの現状把握業務の一つとして、トップページを含むサイト内の主要なページを、スマートフォンとパソコンで閲覧、操作し、サイト構造とユーザビリティ(使いやすさ、わかりやすさ)に関する診断、問題点の洗い出しを行っています。
その中で頻繁に見受けられる、トップページの代表的な問題として、以下の例が挙げられます。
- トップページを構成する各領域(情報の塊)の定義が曖昧で、どこにどのような情報が掲載されているのかわかりづらい
- 情報の優先順位を踏まえた掲載順になっておらず、団体として目立たせたい、或いは強調すべき情報が、ページ下部に掲載されている
- スマートフォンとパソコンの操作の違いや利用者の操作習慣に配慮していない
- ユーザビリティに多くの問題があることを十分に理解せず、スライドショー機能やタブ切替え機能を使用している
- 従来のトップページの上に総合トップページを配置し、利用者の使い勝手を低下させ、検索性の問題を引き起こしている
次項で、トップページ設計の見直しのポイントを3点記載しています。記載内容を参考に、トップページの現状をご確認ください。
3. トップページ設計見直しのポイント
(1)各領域の定義を明確にする
トップページ設計の見直しでは、どこに、どのような情報が掲載されているのか、誰が見ても明確な設計を実現し、リニューアル実施後もその設計を死守していくことが重要です。
トップページを構成する各領域の定義が曖昧な場合、利用者側、ホームページを管理する情報発信者側の双方に影響があります。
[ 利用者への影響 ]
- どこにどのような情報が掲載されているのか一目で判断できない
- トップページから情報を探しづらい、或いは探せない
- 情報を探しづらいサイトであるという印象を受けた、期待していた情報をスムーズに得られなかったという経験から、サイト全体や団体に対する不信感に繋がる
[ 情報発信者への影響 ]
- 新たに掲載すべき情報が出てきた場合に、どの領域に掲載したらよいか判断できない
- 新たに掲載すべき情報が出てきた場合に、トップページのすぐ下の階層に次々と情報を掲載してしまう
また、トップページを構成する領域の数が多すぎると、利用者にとって重要な情報が埋もれてしまうおそれがあるため、領域の数にも注意が必要です。
トップページに情報を掲載しておけば利用者が見てくれる、ということはありません。トップページに掲載する情報を最低限にすることで、本当に必要な情報が目立つようになると考え、領域数、リンク数を削減することを推奨します。
本稿の続きは、(その2)で解説します。
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