コロナ禍の情報発信 改善に向けた見直し例
[ 2022年3月29日 ]
執筆担当
新川 真美
(しんかわ まみ)
新しい年を迎えても、新型コロナウイルス感染症の話題は落ち着くことはなく、オミクロン株が流行し、感染第6波が長引きました。また、ワクチンの3回目接種が進行するなど、引き続き公共機関ウェブサイトのわかりやすい情報発信が求められています。
今回は、新型コロナウイルス感染症関連の情報発信に関する改善に向けた見直し例を、情報分類、サイト構造設計の内容に特化して解説します。
1. 現状を確認し、問題を認識する
新型コロナウイルス感染症に関する情報は日々刻々と変化し、公共機関ウェブサイトとして、最新の情報を正確に発信することは大前提となっています。
コロナ禍で特に重要となるのは、「情報を必要としている利用者が、必要な情報に迷わず簡単に辿り着くことができる」という利用者側の目線です。
日本で初めて感染者が確認されてから、2年以上が経ちました。公共機関ウェブサイトとして限られた時間の中で対応、工夫してきたことが、本当に利用者のためになっているか、改めて確認する機会をもつことが必要といえます。
まずは、現状を確認し、改善すべき最も大きな問題がどこにあるのかを認識することが大切です。
次章以降で、改善に向けた見直しの例をご紹介します。
2. 情報分類(カテゴリ分け)を見直す
(1)重要度、更新頻度に基づく見直し
利用者にとって関心が高く重要な情報は、利用者から探しやすい場所に掲載する必要があります。
新型コロナウイルス感染症関連の情報に限らず、ページ上部に「新着情報」の領域が大きく設けられ、十数件の情報が一覧で掲載されている例がよく見受けられます。
ウェブサイトを毎日チェックしているなど、閲覧に慣れている利用者を除き、一覧で並んだ多量のリンクから、自分が必要としている情報を探すことは難しいといえます。
例えば、利用者が「3回目接種の予約」について関心を持っている場合、掲載の有無や掲載場所が予測できない状況で、「新着情報」からリンクを探すのは困難です。
一例として、「3回目接種」というメニューページを設けて浅い階層に配置し、トップページ上部に入口となる編集的なリンクを掲載したほうが、情報を探しやすいのではないでしょうか。
このように、まずはページ上部や上位階層のメニューに掲載すべき情報を、重要度、更新頻度に基づき検討し、配置場所を見直すことをご検討ください。
(2)メニュー数に基づく見直し
浅い階層に情報を掲載すること、一覧性を持って情報を閲覧できることを重視した結果、1ページに掲載する量が多くなり、利用者から見てわかりづらくなっている場合があります。反対に、メニューを細かく分けたことで1つの分類に1リンクしか掲載されていないページができてしまい、利用者の余計な操作を増やしている可能性があります。
情報構成の見直しを検討する際には、実際の操作で確認することも大切です。
特に、スマートフォンの小さな画面で見た時にどのように表示され、どのような操作が必要になるかは重要な観点です。煩わしさを感じることなく、必要な情報に辿り着くことができるか、ご確認ください。
(3)リンクテキスト、ページタイトルの見直し
メニューに曖昧な名称を使用している場合、必要な情報がどこに掲載されているか判断できないおそれがあります。
特に新型コロナウイルス感染症関連の情報は、緊急性を伴うものが含まれており、利用者が正確に、瞬時に判断できたほうがよいといえます。
例えば、「〇〇〇について」「その他〇〇〇情報」として情報をまとめている場合、利用者は、メニューページに移動し、一つひとつのリンクを確認しなければ、必要な情報が掲載されているのか予測できません。
コンテンツページ(記事掲載ページ)だけでなく、メニューページも、どのような内容が掲載されているか、できるだけ具体的でわかりやすい名称にすることが求められます。
3. ファーストビューに表示する情報を見直す
ページ設計を検討する際、ファーストビューでどこまでの情報が確認できるかを意識することは非常に重要です。パソコン、スマートフォンで画面の大きさ、表示の向きが異なるため、双方の画面表示を考慮して検討する必要があります。
最初に表示される画面に、利用者に必要な情報を掲載することは、最低限の対応といえます。
現在表示されている内容が適切か、利用者が情報を探しやすいかを確認し、ファーストビューに表示すべき情報、掲載方法の見直しをご検討ください。
4. 最後に
継続するコロナ禍で、利用者が必要としている情報も、昨年の今頃と現在では大きく変化しています。変化する状況下で緊急性のある情報を発信する、という難しさがあるからこそ、改善に向けた取組みも、見直しを繰り返し、継続して取り組んでいく必要があります。
新型コロナウイルス感染症の情報発信、各コンテンツページには、多くの問題が散見され、見本となる対応をしているウェブサイトを見つけるのが難しいというのが現状です。
冒頭で述べた通り、自らのウェブサイトが抱えている問題を認識しない限り、改善に向かって進むことはできません。
まずは現状を確認し、問題解決に向けて、今できることから着手することをご検討ください。
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