自治体スマートフォンサイトに隠れたアクセシビリティの問題~ Aion全ページJIS対応調査結果公表 ~
[ 2024年6月14日 ]
執筆担当
大谷 昌也
(おおたに まさや)
JISの基準を満たさない自治体スマートフォンサイト多数
2024年6月7日、「Aion全ページJIS対応調査「自治体編」」の調査結果を公表しました。
本調査では、総務省評価ツールの基準に基づき、自治体公式ウェブサイトの全HTMLを対象に、スマートフォン表示のウェブアクセシビリティ対応を調査したものです。
調査の結果、全HTMLファイルの49.98%にウェブアクセシビリティの問題が検出されました。スマートフォンを利用して自治体公式ウェブサイトを利用しようとした際に、凡そ2ページに1ページの割合で、障害者や高齢者が情報を正しく読み取れない、利用できない恐れがあるという結果です。
パソコン向けの表示だけウェブアクセシビリティ対応をしていませんか
総務省が自治体公式ウェブサイトのパソコン向け表示を対象に行った調査(※)では、問題の検出割合は30.48%でした。スマートフォン向け表示を対象に行った本調査では、問題の検出割合は49.98%でした。比較すると、スマートフォン向け表示は約20%も問題が多いことが分かります。
個別の事例を分析し、パソコン向け表示を対象とした調査で良い結果を得られる自治体で、スマートフォン向け表示にアクセシビリティの問題が多数検出されるという例を複数確認しています。
※参照:令和4年度「公的機関のウェブアクセシビリティ確保の取組実施状況に関する調査研究」
アライド・ブレインズが総務省より請け負い、全ページJIS検証システムAionで調査。
JIS規格にスマートフォンのアクセシビリティ対応が追加
数年内にウェブアクセシビリティのJIS規格が改正される見通しです。改正内容はほぼ確定しており、国際標準である「Web Content Accessibility Guidelines2.2(WCAG2.2)」の内容が採用される見込みです。
改正の重要なポイントとしてスマートフォンのアクセシビリティ対応が挙げられます。
WCAG2.2は、現行のJIS規格の内容にルールが追加される形でアップデートされており、達成基準の数は現行の約1.4倍。特徴的な追加内容としてスマートフォン利用者へ配慮する達成基準が追加されています。
総務省は「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版)」において公的機関に対しWCAG2.2への対応推進を求めています。
また、総務省のアクセシビリティ評価ツールmiCheckerは、2024年5月に最新バージョン3.1が公表され、ブラウザ幅を変更することでスマートフォン向け表示を検証する機能が追加されました。
スマートフォンサイトのウェブアクセシビリティ対応を求める動きが非常に活発になっていると言えます。
※参照:連載コラム「JIS X 8341-3改正動向と公共機関HPに必要な対応」
第4回「2024年みんなの公共サイト運用ガイドライン公表」
スマートフォンサイトのアクセシビリティ対応に問題がないかご確認を
本調査対象団体のホームページご担当者様は、調査結果をご参照のうえ、スマートフォンのウェブアクセシビリティ対応にお役立てください。
調査の結果確認された主な問題点や、調査結果を用いたウェブサイトの改善について下記のセミナーやコラム、メールニュース等を通じて情報発信をしてまいります。
解説セミナー
- A.A.O.セミナー「スマートフォンサイトJIS対応調査「自治体編」結果発表」
7月30日東京会場、8月7日大阪会場
対応支援サービス
- 全ページJIS検証プログラム「Aion」 最新バージョン3.1・スマホ表示対応
お問い合わせ先
アライド・ブレインズ株式会社 公共コミュニケーショングループ
電話:03-3261-7431 / ファックス:03-3261-7432
メール:office@aao.ne.jp