お悩み相談コーナー　お悩みその２
アクセシビリティの大切さを浸透させるには？

ウェブアクセシビリティに配慮したページを作成することを、なかなか職員に浸透させられません。また、役職員や直属の上司に、アクセシビリティに対する理解をどのように深めてもらえばよいかわかりません。（自治体の方より）

回答

「アクセシビリティ」という言葉は、平成15年2月の国立国語研究所の調査でも認知率は約10％、理解率は4.4％と、一般にはまだ馴染みの薄い言葉です。同研究所では「利用しやすさ」を言い換え語として提案していますが、「分かりやすさのためには説明を付けて用いることが望まれる」、としています。しかしながらこの概念を適切に説明するのは、なかなか大変なことです。まずは、アクセシビリティとは何か、重要性の高まってきた背景や、基本となる「ノーマライゼーション」の理念等を説明し、理解してもらう研修の実施が必要でしょう。

企画部門の職員等、ホームページの作成に直接関わる職員だけでなく、できるだけ広く研修の対象とすることが望まれます。異動によって担当職員が変わったり、事業化・予算化にあたって査定する部署の職員の理解が得られず対応が進めにくい、等のことが往々にしてあるからです。アクセシビリティ研修にこだわらずに、情報システム関連の研修等の一環に、「アクセシビリティ」という考え方があることを盛り込むなど、少しずつでも広めていけるとよいのではないでしょうか。

基本的な理解のための全庁的な研修の後には、実務に即して、アクセシビリティを向上するための技術に踏み込んだ研修を実施し、確実な対応ができるスキルを身につけます。各課が直接アップできる体制が整っていなくても、自治体ホームページの情報の発信源は各部署です。たとえ制作や運用の全体管理をひとつの部署で行なっていたとしても、どのような情報が、どのような形でホームページに掲載されているか、各部署の職員も知った上で、ホームページでの有効な情報発信ができるようにしておかなければなりません。ホームページを制作する直接の担当者向けの研修だけでなく、対象者の実務に合わせて、必要となる事項を整理した研修プログラムを用意することが望まれます。

公平性が求められる行政の事務には、ホームページ以外の分野でもアクセシビリティが関わることが多くあります。広く住民サービスの向上につながるアクセシビリティの考え方を、地道に啓発していきましょう。

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