2012年 Aion全ページJIS対応調査
国のホームページ約6割がJIS規格最低基準に満たず
この度、国(府省庁、国会、裁判所等)のホームページ49サイトの全ページを対象に、高齢者・障害者のホームページ利用への配慮(ウェブアクセシビリティ)に関するJIS規格(JIS X 8341-3:2010)への対応状況を調査しました。
本調査で、国のホームページの約6割に、JIS規格で最低限遵守すべき「達成等級A」の問題が確認されました。
調査結果概要
本調査では、49の府省等サイトについて、平均56.5%のページでJIS規格の達成等級Aの対応に問題があることが確認されました。
また、21の府省等サイトで、達成等級Aに「問題あり」のページが1万ページ以上あることが確認されました。「問題あり」のページ数は、最も少なかったサイトで1ページ、最も多かったサイトで134,219ページでした。
達成等級Aに該当する25の達成基準の中で、特に「問題あり」のページの割合が高かったのは、以下2つの達成基準でした。(図1参照)
- 「7.3.1.1ページの言語に関する達成基準」29.2%
- 具体的な問題の例:音声読み上げソフトが正しく読み上げたり、ブラウザが正しく表示するために必要となる、ページ内で主に使用している言語の指定がない。
- 「7.1.1.1非テキストコンテンツに関する達成基準」29.0%
- 具体的な問題の例:音声読み上げソフトの利用者に画像の内容を伝えるための「代替テキスト」がない等。
図1:府省等サイトの達成等級Aの達成基準別「問題あり」のページ割合
(問題の多い達成基準上位10位)
調査概要
1.調査対象
e-Gov(イーガブ)の下記ページに掲載の49団体の公式ホームページ。
※各団体名からリンクしているページに掲載されている地方支部局や独立行政法人等の関連サイトは対象外
【対象49団体(e-Govでの掲載順)】
首相官邸、内閣官房、内閣法制局、国家公務員制度改革推進本部、人事院、内閣府、宮内庁、公正取引委員会、国家公安委員会、警察庁、金融庁、消費者庁、復興庁、総務省、公害等調整委員会、消防庁、法務省、検察庁、公安調査庁、外務省、財務省、国税庁、文部科学省、文化庁、厚生労働省、中央労働委員会、農林水産省、林野庁、水産庁、経済産業省、資源エネルギー庁、特許庁、中小企業庁、国土交通省、観光庁、気象庁、運輸安全委員会、海上保安庁、環境省、防衛省、会計検査院、衆議院、参議院、裁判官弾劾裁判所、裁判官訴追委員会、国立国会図書館、裁判所、日本銀行、財団法人地方自治情報センター(LASDEC)
2.調査期間
2012年5月22日~6月4日
3.調査方法
アライド・ブレインズが開発した全ページJIS検証プログラム「Aion(アイオン)」を用い、49サイトの公開されている全ページを対象に、JIS規格対応を調査した。Aionは、総務省が開発し広く一般に無償提供しているJIS規格対応検証ツール「miChecker(エムアイチェッカー)」のチェック項目と基準で、公開されている全ページを一括で検証するもの。
なお、本調査はmiCheckerの基準により、明らかな問題があると特定された箇所について集計を行った。
アライド・ブレインズ株式会社 2012年7月3日プレスリリース
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