ウェブを活用する障害者の声
「障害のある方がどのようにウェブを日々活用しているか」、「自分にとってどのような意味のあるメディアか」、実際に利用している方から生の声をお寄せいただきました。今後このコーナーをもっと充実させていきたいと思っています。ぜひ皆さんの声をA.A.O.にお寄せください。
栗原 征史さん(31才 男性)
ウェブは必要不可欠で魔法のような存在です
自分にとってホームページは、社会との窓でもあり、重度障害者にとっては、必要不可欠で便利な存在です。ホームページからいろんな情報を手に入れたり買物をしたりとにかく便利です。
インターネットは、僕にとって魔法みたいな物です。人の手を借りなければ何も出来ない自分がインターネットの普及によりライフスタイルが大きく変わりました。
僕は、プロ野球のジャイアンツファンで、以前はスポーツ新聞を購読し、シーズンオフは一般誌を読んでいましたが、シーズンオフの時に野球の情報を知りたくてもテレビ、一般誌ではほとんど報道されず 読みたい時は、人に買ってもらわなくっては読むことが出来ず不自由していました。
それが、ネットで しかも各社のスポーツ新聞が見れた時は、物凄く感動しました。これからは、著作権等いろんな問題がありますが、ネットで、雑誌 本 映画を見られるように各方面に努力していただきたいです。
【栗原さんの利用環境についての説明】
ウェブブラウザのメニューや、ページ内のリンク箇所をオートスキャン操作(一定のテンポで選択可能箇所を自動的に移動させ、自分の操作したい箇所に移動した時に選択し実行する)するソフトを利用しています。選択には、唇の接触型スイッチを使っています(写真を参照)。
平野 忠雄さん(53才 男性)
ホームページ作成の習得にも挑戦中です
頚椎損傷で車椅子に乗っている時に物をつかむ力がありませんので、トラック・ボールと確定にプッシュスイッチを使っています(写真を参照)。
僕が良く使っているホームページは、障害者用の車のサイトです。このほか、Yahoo!JAPANで新型車、スポーツ、知らない土地の気象、テレビやラジオの番組表などの情報収集をしたり、懸賞サイト懸賞に応募したりなど、様々なホームページを利用しています。この12月からETCの障害者割引が始まるとのことで、国土交通省のサイトでETCの情報を調べたりもします。新聞や雑誌は読めないので、僕の情報収集力は、ホームページによって飛躍的に大きくなりました。
今までは、ホームページは僕にとっては趣味の一つみたいでしたが、ここにきて、昨年10月から福祉施設に行くようになり、そこで苦情や希望をホームページに載せる事になり、急にホームページ作成の習得が必要になりました。今は福祉施設が使っているIBMのホームページビルダーをインストールして扱い方を勉強しています(むずかしい!)
それから、僕達障害者はパソコンが止まったら、お手上げです。ソフトが頑丈なものでないと、冒険できませんので。
伊敷 政英(26才 男性 当社社員)
一番便利になったのは買い物です
僕は、画面を拡大するソフト(虫眼鏡のようなソフト)を使ってウェブを利用しています。7倍に拡大し、色を反転して閲覧しています。
ウェブが出てきて一番便利になったのは買い物です。本や CD を買う時、いままでは友人などに一緒に行ってもらい、目次や曲のタイトル、値段などを見てもらっていましたが、ウェブを利用することによって、お店に行く前に、自分で確認できるようになりました。
自分が欲しい情報を、自分が欲しいときに、自分のペースで、そして自分の力で入手できるというのはとても気持ちがいいものです。