第12回「3年半かけて取り組んだ姫路市公式ウェブサイト全面リニューアル」(前編)
[ 2020年3月6日 ]
ゲスト
姫路市 市長公室 広報課
課長 松本美樹さん
係長 神脇英司さん
兵庫県姫路市は、2019年9月24日に公式ウェブサイトをリニューアル公開されました。リニューアル及びCMS入替え導入に向けた準備、プロジェクトの進行過程で取り組まれた内容と、関連サイトも含めたウェブアクセシビリティ確保の取組についてご紹介いただきます。
リニューアル公開後の状況
アライド:リニューアル公開を9月24日にされましたが、公開された後の運用が、現状どのような状況か、作成から公開に至るまでの大まかな様子を、公開ページ等を含めて教えてください。
神脇:まず、担当課がページを作成した後、公開の承認を広報課が行っています。広報課でアクセシビリティ等をチェックした後に公開という手順になります。
アライド:担当課の方でページを作成し、チェックを広報課で行なっているということですね。
アライド:今回のリニューアル公開前と公開後で、各担当課の反応に変化はありますか。
神脇:以前のCMSは自由度が高かったので、「こういう作成機能は今回のCMSにはあるのか」という問い合わせが何件かありました。
アライド:それは結果的に良かったのではないですか。
神脇:そうですね。真剣に良いページを作ろうと意識しているのだと思います。
リニューアルで力を入れたこと
アライド:今回のリニューアルで、特に力を入れられたこと、姫路市様の場合は外に向かって発信される情報をたくさんお持ちなので、特にこういうところを強化した、あるいはシステム的に強化したいと考えた点など、リニューアル全体で力を入れられたところをご紹介いただけますか。
神脇:大前提として、アクセシビリティへの配慮があります。その次に、サイトのデザインを拘りました。そして、利用者の利便性の向上という点と、姫路市はインスタグラムを運用しているので、市民が参加できるページ作りを心掛けました。また、CMS自体を入れ替えますので、できるだけ作成者(職員)の負担を軽減するということと、市のアプリがありますので、二重登録にならないようにCMSとアプリでデータ連携を図る、という点、そしてCMSの使い勝手に拘った、という感じです。
アライド:結構盛りだくさんですね。我々も色々お手伝いさせていただきましたが、今おっしゃっていただいたようなことは全て実現されたということですね。
リニューアル公開後の市民や職員の声
アライド:今、9月24日の公開から2か月半ほど経ちましたが、市民の方の反応はどのような様子ですか。
神脇:とりあえず良い評価と悪い評価があります。良い評価というのは、「見やすくなった」、「ページ自体がすっきりした」、「探しやすくなった」とか、「アクセシビリティに配慮されてよくなったので参考にしたい」というご意見をいただいています。悪い評価は、「何故リニューアルされたんですか。混乱しています。」という問い合わせがあったという感じですね。
アライド:それは少数ですか。
神脇:はい、お一人からです。
アライド:必ずリニューアルすると、使い勝手が悪くても以前のデザインに慣れていらっしゃる方はいますので、ゼロということはないですね。でもお一人だったら、使い慣れたら多分よかった、という話になると思います。ほとんどの方が良い評価、ということですね。
神脇:そういうことになりますね。
アライド:分かりました。もう一つは、先ほども少し触れていただいたんですが、職員の方の反応や評価は、これも両方の意見があるのかもしれないですが、そのあたりはどうですか。
神脇:良い評価としては、CMS自体の「システムが便利になった」、「機能が充実した」等で、以前のCMSでは、スマートフォン向けのページを別に作成しなければなりませんでした。今回はレスポンシブウェブデザインですので、この作業が不要になった、というところですね。悪い評価としては、「CMSが使いにくい」というご意見もちょっといただいています。
アライド:部署は結構たくさんあると思うんですけれども、使いにくいと言われているのは、全体の何割くらいの方でしょうか。
神脇:私が直接ご意見を頂いたのは、一人、二人くらいです。
アライド:であれば、多分慣れの問題ではないかと思います。本当に使い勝手が悪い場合というのは、数多くの反応があるので、ほんの少しというのであれば、さっきの利用者の話と同じように必ず出てくる話です。まだ二月半(ふたつきはん)ですからね、もうちょっと落ち着いたらなくなるでしょう。
神脇:前のCMSは11年使っていたので、慣れの問題はあると思います。
アライド:使い勝手が悪くても、慣れというのは大きいですからね。