A.A.O.ユーザーテストレポート
2-3.岡野五恵さんのテストを終えて
ユーザテストに参加された感想(岡野さん)
A.A.O.サイト全体のご感想はいかがでしたか?
いろんな配慮がされていることを感じたし、より見やすくしたいという熱意も感じられてうれしかったです。
ユーザテストに参加して感じたことをお聞かせください。
けっこうハードで疲れましたが、私たちが見やすいサイトが増えるのが期待できて、楽しみです。お腹がすいたのも忘れてました(笑)。(4時間かかりました)
テストに立ち会った立場からの感想 (岩渕さん)
上肢障害者や全盲の人のアクセシビリティに配慮したサイト作成なら、ある程度であっても一定の方法論が出来つつあるように思いますが、弱視の人にも使い勝手の良いサイトづくりとなると、まだまだこれからのような気がします。
もちろん、手法としてはスタイルシートを用いることでユーザーが自分のスタイルシートを適用し自分好みの見え方で見えるように作成することが基本であり王道ではあるのですが、ウェブの閲覧を始めたばかりの人に、「インターネットオプションのユーザー補助を開いて、『自分のスタイルシートでドキュメントの書式を設定する』にチェックを入れると自分のスタイルシートを用いて閲覧ができます」と説明したところで、チンプンカンプン以外の何者でもないでしょう。
そもそも、そういった説明が理解できたところで、「自分のスタイルシート」が手元に無いことには適用しようも無いわけで、サイト製作者の側ではなく個別のユーザー(とりわけ弱視のユーザー)にとって使い勝手の良いスタイルシートを簡単に作成し提供できる仕組みを具体化しなければ…と思いました。
自分のスタイルシートを適用することで見やすくすることができるといっても、自分用のスタイルシートを簡単に作ることができなければ「絵に描いた餅」でしかありませんものね。
取り敢えず、ひとつひとつのタグを入力しなくても選択式でスタイルシートを生成できるプレビュー付きのフリーソフトを探してみます。探す上でのポイントは、サイト作成者のためのスタイルシートの自動生成ではなく、サイト閲覧者のための自動生成であること。色々試してみた結果、期待に沿うソフトが見つからなかったら、うーん、しょーがない。作るしかないですね。完成の暁(時期未定)には、A.A.O.でも紹介よろしく。
アライド・ブレインズA.A.O.担当者の感想
長時間、操作課題に取り組んでいただき、どうもありがとうございました。岡野さんのレポートを拝見して、第一に、ウェブサイトは岡野さんの日常生活に無くてはならないものなのだと実感しました。配慮のないページだと、拒否された感じがしたり、見るのを諦めることがあるとのこと、非常に残念な話です。
また、「見え方」というのは人によって千差万別であることを実感しました。岡野さんのように、一度にご覧になれる範囲が狭く、全体の画面レイアウトを把握するのが難しい方にとって、今のA.A.O.サイトの各ページにある「サイトマップ」や「お問合せ」のリンクの位置は、とても見づらそうですね。再検討が必要と思っています。
「ご意見・ご指摘フォーム」は「お名前」と「記入欄」が離れすぎているとのご意見をいただき、両者をくっつけました。 「ニュース」のページでは、情報量が多すぎて探すのに相当目がお疲れになったそうで恐縮です。より少ない負担で目的の情報にたどり着けるように、ページ内の情報構成やサイト構成の整理、サイト内検索機能の検討などが必要です。
弱視の方にとっての使い勝手の良いサイト作りは、まだまだ方法論が確立されていないのではと岩渕さんからご指摘いただきました。A.A.O.を開設する際には、弱視の社員の意見も大いに取り入れて作成したのですが、「弱視」と一口に言っても、一人一人見え方や見えやすい条件が全然異なるそうですので、A.A.O.も試行錯誤が必要そうです。
今回いただいたご意見をもとに、12月末までにサイトの修正を行ないます。「お気に入り」に入れてくださるとのこと、修正後のご感想も是非いただければと思っています。