PDF形式の情報掲載の問題点
[ 2022年11月2日 ]
執筆担当
桂 明
(かつら めい)
はじめに
アライド・ブレインズは、公共機関ウェブサイトの品質向上の指標として役立てていただく目的で、毎年「A.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査」を実施しています。
調査結果を基に、アクセシビリティおよびユーザビリティの向上に重要な論点をセミナー等でご説明しています。本コラムでは、コンテンツ数(HTML数、PDF数)について説明します。
2022年までの経年変化
過去10年間の調査の結果、公共機関ウェブサイトの平均HTML数はほぼ横這いで推移しており、不要なHTMLを削減している団体が少なからずあることが推察されます。
一方で、平均PDF数は2022年時点で10年前の約2倍に増加しています。2017年にHTML数とPDF数が逆転し、それ以降PDF数とHTML数の差が年々広がっています。HTML数と比べて著しく増加し、後述する問題の拡大が継続しています。
不要コンテンツ削減の重要性
公共機関ウェブサイトは、民間企業に比べコンテンツ数が非常に多い傾向にあります。職員の異動が多いため過去の情報の要否を判断しづらく、古い情報が蓄積しています。
自団体のコンテンツ数の把握および不要コンテンツの削減は公共機関ウェブサイトにとって以下の観点で極めて重要です。
- 利用者が情報を探しやすくなる
- 職員のアクセシビリティ対応の負担を軽減する
- リニューアルの費用を削減する
これまで弊社がご支援させていただいたほぼすべての公共機関で不要コンテンツの削減を実施しています。
PDF形式の情報掲載による影響
HTMLの新規作成に比べPDFは既存の文書のままウェブサイトに掲載でき、職員の皆様は負担が少ないと感じるかもしれません。しかし、利用者はどうでしょうか。
PDF形式の情報掲載は、アクセシビリティおよびユーザビリティの観点で重大な問題があります。利用者に以下の影響を及ぼす可能性があることを考慮しなければなりません。
- 小さい画面で情報を読み取りづらい等、スマートフォンで閲覧する際に問題が生じる
- 公式サイトのナビゲーション機能を持たない等のPDFの特性に起因し、利用者が必要な情報を探しづらい
- 音声読み上げ機能で適切に読み上げられない
サイト品質向上のために
アクセシビリティおよびユーザビリティの向上には、不要コンテンツの削減およびPDF形式の情報掲載の改善が欠かせません。
弊社は、AAOサイト、メールニュース、セミナー等を通じて、今後もサイト品質の向上に必要な取組や注意事項等について情報をご提供していきます。
関連セミナーのご紹介
下記のセミナーで、PDFに関する問題点や改善方法について詳細に解説する予定です。ぜひご活用ください。
- 総務省ガイドラインが求めるJIS対応の具体策
⇒ 1月27日東京 - リニューアル失敗率76%から脱する方法
⇒ 11月18日東京
⇒ 12月8日東京、12月2日福岡、12月15日大阪
⇒ 1月27日東京
関連サービス
上記調査で使用するウェブサイト解析プログラムで、ウェブアクセシビリティをはじめとする貴団体のサイト全体の問題点を確認いただけます。
お問い合わせ先
アライド・ブレインズ株式会社 公共コミュニケーショングループ
電話:03-3261-7431 / ファックス:03-3261-7432
メール:office@aao.ne.jp