A.A.O.ユーザーテストレポート
1-3.吉田カクさんのテストを終えて
ユーザテストに参加された感想(吉田さん)
A.A.O.サイト全体のご感想はいかがでしたか?
自分が障害者になってからホームページを訪れ始めたわけですが、A.A.O.のようなサイトがあって良かったと思いました。
ユーザテストに参加して感じたことをお聞かせください。
あらためて勉強になりました。思ったことをうまく言葉にできないので、代わりに歌を詠みました。
現在(いま)の世に 関わりたくて ひたすらに A.A.O.の HP探す
情報(いま)の世を バリアフリー化 する為に A.A.O.の支援 優しき
寄り難き 情報の世の 架け橋に A.A.O.の HP嬉し
人は皆 未知との遭遇 計りたく A.A.O.の HP見るべし
テストに立ち会った立場からの感想 (岩渕さん)
表示されている内容の理解云々は(今回のユーザーテストの範囲外ですので)ともかくとして、ポインティングデバイスを用いて閲覧している上肢障害者の使い勝手に関しては配慮されている作り方だと思います。
ただ、A.A.O.は情報量たっぷりのサイトだけに、現行のサイトマップはスッキリしすぎているように思います。個別ページのタイトルが載っているサイトマップだと「ページ内検索」で探せますので、探したいものが載っているかどうか、ひとつひとつ見に行く前の目安になるのではないでしょうか。サイトマップが詳しくなくても「サイト内検索」があると、それだけで探し物の苦労が激減すると思います。
トップページですが、ここだけはページスクロールがない程度に収めたほうが、取っ付きやすいと思いますし、全体像をつかみやすいと思います。また、「A.A.O.の使い方」といったページや、個別のページに「このページの使い方について」が設けてあると、こういったサイトに馴れていない人にも分かりやすくなると思います。
もっとも、A.A.O.は「アクセシブルなウェブをめざす提供者と利用者のための実用サイト」ですので、「こういったサイトに慣れていない人」はメインターゲットでないのかもしれませんが、そうであっても、ウェブアクセシビリティに関心を持ち始めた人に対しては「何はともあれA.A.O.」と薦めることができるような「ウェブアクセシビリティ入門」タイプのページも用意してあるといっそう薦めやすくなります。
A.A.O.が「障害に配慮したサイト作り」に加えて「ウェブに馴れていない人にも配慮したサイト作り」となることを期待します。
アライド・ブレインズA.A.O.担当者の感想
吉田さんの詠まれた歌から、A.A.O.サイト提供の意図を汲み取っていただいたことが感じられ、大変嬉しく拝見させていただきました。専門用語やカタカナの多いサイトで読みづらかったかと思いますが、どうもありがとうございました。
吉田さんには、マウス操作ができない方にとってA.A.O.の操作しやすい点、改善が必要な点の両方を指摘していただけたので、あらためて、一人一人の方の身体条件や利用経験によって、ウェブ利用上の問題点、サイト提供者側で配慮が必要な点が全く異なるのだと実感できました。
1ページ内のリンク数が多すぎてタブキーでの移動が大変だったとのこと。サイト更新をしているうちに情報がどんどん追加されて大変長くなってしまったページがあります。ページを分けるなど操作しやすくなるように改善します。
また、岩渕さんから、ウェブに慣れていない人にも配慮したサイト作りをご提案いただきました。サイト内検索、サイトマップの提供、ページの使い方の解説などについても工夫していきたいと思います。